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お砂糖の原材料となる北海道特産の作物とは

こんにちは!美幌町移住コンシェルジュの宮﨑です。
突然ですが、みなさんは「甜菜(てんさい)」という作物をご存じですか?
実は国内で自給されている砂糖の内、約8割が「甜菜(てんさい)」という作物からできているんです!
この甜菜は“北海道のみ”で栽培されています。
甜菜から砂糖をつくる工場は道内に7工場あり、その内の1つがここ美幌町にあります。
今回は製糖工場で「甜菜が砂糖になるまで」を見学してきましたのでレポートいたします!
〜そもそも甜菜(てんさい)とは?〜
甜菜は「ビート」とも呼ばれるヒユ科の植物でほうれん草の仲間です。
サラダやボルシチの材料となる野菜の「ビーツ」を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、
砂糖の原料となる「ビート」はあくが強く料理には適しません。
大根のような大きさと見た目から、別名「砂糖大根(sugar beet)」とも呼ばれます。
寒冷地作物であることから、冷涼な気候の美幌町では基幹作物の一つとなっています。
本州の方ではあまり聞き慣れないかもしれませんが、美幌町で「ビート」は日常会話で出てくるほど馴染み深い植物です。
大きさは直径10〜15cm、長さ約30㎝の紡錘形で重さは約1kgあります。
種まきから半年以上かけて栽培された甜菜は9月下旬から収穫が始まり、10月初旬から製糖工場につぎつぎと運ばれていきます。
〜いざ、製糖工場へ!〜
伺ったのは、日本甜菜製糖株式会社美幌製糖所。(以下「日甜」)
昭和34年(1959年)に操業を開始し、主に食品メーカー向けのグラニュー糖を製造しています。
スーパーで見かける一般消費者向けの小袋は製造していませんが、
実はここで製造された砂糖は私たちが食べているお菓子やアイス、乳飲料などに使われているそうです。
引用:日甜公式HP(https://www.nitten.co.jp/product/business/)
美幌製糖所は、北海道内にある日甜の3つの製糖工場の内の1つで、
本年度は約34万トンの甜菜から約5万トンの砂糖を製造するのだとか。
工場は10月初旬から1月の中旬まで、24時間毎日休まず稼働するそうです。
11月7日に実施された工場見学会では、町内から14人が参加しました。
2班に分かれて、職員さんの丁寧な説明を受けながら工場内を見学させていただきました。
工場見学会のスケジュール
・動画視聴
・職員さんからの簡単な説明
・記念撮影
・工場見学
〜気になる製糖の流れ〜
製糖の流れは、ざっくりいうと6段階ありました。
①土を落とす
②細かく裁断する
③お湯に糖分を煮出す
④不純物をとる
⑤水分を蒸発させて濃縮する
⑥結晶化する
まずは屋外の見学から。
集めた甜菜を工場に搬入する受入設備と甜菜に付いた土を落とす設備を見学しました。
各所から水蒸気が上がっていて、ほくほくとした甘い香りが漂います。
いよいよ工場内部の見学です。
工場内に搬入された甜菜はスティック状に裁断され、温水に浸し糖分を抽出します。
次に糖液に石灰を加えて不純物を取り除き、透き通った糖液にします。
不純物を取り除いた糖液を煮詰めて水分を蒸発させていきます。
工場内の階段を登っていけばいくほど、高温になっていくのがわかります。
(なんと一番暑い部屋は40℃以上!)
暑さも最高潮になってくると、砂糖完成への道のりもラストスパート。
数時間ずつに分けて煮詰めると濃縮された糖液から砂糖の結晶が出来始めます。
遠心分離機で結晶を取り出し、乾燥させて砂糖の出来上がりです。
袋詰めされた砂糖は、倉庫で保管され、1年を通して日本全国に出荷されるとのことです。
美幌製糖所では、操業期間中、毎日3,000~3,400トンの甜菜から500~550トンの砂糖を生産しているそうです。
結晶にしない糖分は「糖蜜」として液状の製品になったり、糖分を取り除いた甜菜の繊維質(ビートパルプ)は、
乾燥して家畜の餌になったりと、甜菜は最後まで無駄なく活用されていました。
またビートパルプを乾燥する時に発生する大量の水蒸気は糖液を濃縮する時の熱源として再利用し、
CO2の排出を削減しているそうです。環境にも配慮しているんですね!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
私たちの食に欠かせない「砂糖」の背景には、北海道でしか生産されていない作物と製糖工場の存在がありました。
なんといっても、それが国内で自給される砂糖の約8割にものぼること、
そしてまさにその一連の流れが美幌町で行われていたことに個人的に驚いた1日でした。
ぜひ美幌町へ移住された際には、工場見学の機会があれば参加してみてくださいね!
より詳細なとても面白いお話が聞けますよ◎
最後にトピック!
美幌製糖所でつくられた「北海道まろやかてんさい糖」が、グランプリを受賞!
一般社団法人日本フードアナリスト協会が主催する
「第 78 回ジャパン・フード・セレクション(2024 年 8 月)」において、
最高評価である「グランプリ」を受賞しました!
引用:日甜公式HP(https://www.nitten.co.jp/dcms_media/other/news_20240820_maroyaka_tensaito.pdf)
美幌町含むオホーツクの甜菜のみを使用した、柔らかくコクのある万能なお砂糖です。
ぜひお試しあれ!